朝から30分ぐらいピンポンと窓を連打され震えながらお巡りさんを呼んだ話

こんな記事誰が楽しいんだという感じではありますが出力せずにはいられなかったので書きますね

偶々の新生活シーズンですが不注意とかそんな話ではないのでライフハックにもならないと思います

あ、でもあれ、110番のオペレーターの方もお巡りさんも、とても適切な対処をして下さって、なんというか日々の生活に対する安心感が底上げされました

曖昧な表現になってしまうけど、必要なときはとっとと110かけた方が良いと思った

 

さてタイトルにもある通り、先日朝っぱらから30分ぐらいインターホンと窓を叩かれ続けるという恐怖体験をしました

私はその日偶々、15連勤明けの休みでゆっくり寝ていたんです(不運に不運が重なった連勤なので普段からそんな生活をしているわけではありません。一応)

そういった状況でインターホンが鳴る音に起こされ、寝ぼけた頭で「誰だ?」と考えたわけですね

特に何か頼んだ記憶も無いし、誰か来る予定も無いし

2-3回目のピンポーンを聞きながら、少なくとも、アポも無く電話もかけてこないような相手ならスルーしていいなと二度寝しようとしたんです

すると今度はインターホンの合間にドアが叩かれる音が聞こえ始めたんですね

しかし名乗っている様子もありはせず、私はいよいよ本気で怖くなり始めました

とはいえ訪問者は私が今部屋の中に居るかどうかは知らないはずですし、インターホンの連打だけならイタズラかもしれないとただただ耐えたのです

そして十分ほど耐えた頃、一度インターホンは鳴り止み今度は窓が叩かれ始めました

私が住んでいるのはふつーのアパートの一階かつ角部屋ではないので、わざわざ回りこんで叩き始めたということになります

つまりは適当な対象へのイタズラではなく、この部屋に用事がある人間だということがわかったわけです

しかも私はロフトで寝ており、かつ梯子はカーテンの上の隙間から見られる可能性があったため、下りてドアの外の人物を確かめることもできません

はやく静かになってくれと祈りながら布団の中で息を殺し、震える手でスマホを握り締め110をかけるタイミングをうかがっていました

(通報するには当然声を出す必要があるのですが、それさえ怖かったのです)

いつかけよう、いつかけよう、と迷っているうちに窓を叩く音が弱くなりました

ちょっとだけほっとしたのも束の間、今度は窓を叩かれた数秒後にインターホンが鳴ります

つまり相手は複数人いるということです

冗談抜きで震えが止まらなくなりました

しかも運の悪いことに、地階に置いた端末がそれから10分後ほどに鳴る予定だったのです

意を決し、びっくりするほどガタガタしている指で110をダイヤルしました

すぐに明るい声の男性が応答してくれます

「どうしました?」

「30分ぐらい前から延々インターホンと窓を連打されているのですが、誰かに来て貰うことは可能ですか?」

「インターホンの連打。心当たりはありませんか?」

「ありません」

「宅配便等は」

「頼んでいませんしこんな鳴らし方はしません」

「友人は」

「電話が鳴らないので友人以外になると思います」

(中略)

「襲われ続けているということですか?」

「はい」

「ちなみに今音は」

「し、してません……」(何故か通話を始めた途端に静かになっていました)

「わかりました。人を派遣するのでお待ちください」

といったような会話をしたと思います(今は音がしないと伝えたのにこう言って貰えたのは本当に有難かったです)

通話を終え少しはほっとしたものの、まだ震えは止まりません

しかもアラームが鳴ってしまうまであと5分程となっていました

止めに行かなければ、と思うものの深呼吸しようが何しようが震えが止まりません

止まれ、止まれ、と思っているうちにアラームが鳴ってしまい、観念した私は震えたまま地階に降りました

運よく襲撃者と目が合ったりもしませんでした

それからたぶん数分後(もうこのへんは時間感覚が怪しかったので1分もなかったかもしれませんが)もう一度インターホンが鳴らされ、「○○警察の者です」という声が聞こえました

覗き穴から姿を確認して、恐る恐るドアを開けます

お巡りさんの姿が見えると共に、遠くの方からこちらを見ている人物とも目が合いました

 

親でした

 

なーんだそういうオチか、と今思った人もいるかと思うのですが、違うんです

親とはいえ絶縁し、私の住所を知らないはずの親なんです

法律上は親で血縁とはいえ私からすれば家族ではない人間です

不審者と変わりありません

 

このまま視線を気にしつつやり取りをしなければならないのかと不安になったものの、お巡りさんは諸々確認の上で、玄関内でのやり取りを申し出てくれました

外と分断された場所で話せるという安心感にほっとしたものの、結論から言うと、

血縁であるというただそれだけの事実により彼らは何の責めも受けることなく開放されることを知りました

「自分の他にもう一人来ているから、事情を説明してくるね」

「あの、30分インターホンを鳴らされた件についてはどうなるんですか?」

「どうにもなりません」

「えっ、現行犯じゃないとかそういうことですか?」

「親御さんだからね。不審者だったらまああれだけど、心配してってことでしょ?」

笑顔で言い放たれて余計絶望した気がするんですが、今はもう記憶があやふやなので気のせいということにしておきます

 

以下今回の件を受けてのぼやきになりますのでオチを知って安心した方はブラウザバックを推奨します


今回彼らが何の咎めも受けなかったのは血縁だからというよりは、動機が「心配したから」だったからなのでしょう

けれどそれは一方的な押し付けですし、私としては不必要に危害を加えられたばかりなのでなんというか、善意なら何でもしていいんか?というのが疑問に残りました

(不必要に、というのは彼らの今回の訪問の第一の目的が書類のやり取りだったらしいからですがいずれも再発行の効くものでしたし住所を把握していたのなら郵送だって良かったはずです。加えて、たとえ顔を見たかったとしてもインターホンを鳴らし続けたり窓やドアを叩く迷惑行為まがい以外に方法はあります)

例えばの話、それを使わないどころかゴミとしか思ってない人に「肥料として使えるから」という相手が持たない価値観で腐敗した食べ物を送れば善意に則ってたって迷惑行為になると思うんです

これが「愛情」になると途端に社会的には許されるのはなんというか、平均的な、迷惑に繋がりにくい愛や情のことしか考慮されておらず、性善説に依りすぎていると、どうあがいてもマイノリティに分類されることが多い私はそう思うのですが、まあ言っても仕方が無いんですよね……

マジョリティが想像できないタイプのマイノリティにも応じたシステムをマジョリティが整えるというのは想定外のエラーへの対策のようなもので、非常に困難どころかある意味不可能ですし、システムというのは基本利用者のうち多勢の利便性を考えたバランスになるのが普通です

そしてマイノリティは絶対数が少ない故に所謂ゴミデータとして弾かれることもまああることです

(まあ最近は色々変わってきたようですが、とはいえそれが平均になるまでには長い時間がかかると思います)


話がそれましたが最後に

「育ててもらった恩は」とか「善意に対しての不義理」とか、そういうことを考えてくださる方も居るとは思います

しかし私はまず生んでくれと頼んでいません

加えて「生んでくれとは頼んでない」なんて考えを持ってしまったのは彼らの「育て方」の賜物です

故に私は彼らから逃げたんです

(誤解の無いように書いておくと、別に死にたいわけではありません

ただ、金メッキした生ゴミを延々と重ねられ、生ゴミだったと気が付きやっと取っ払えた今追加で粗大ゴミを送られたとして、金メッキや粗大ゴミ中のレアメタルに感謝しろという方が無理だと思うのです)

 

既に一度彼らに追いかけられる悪夢を見て夜中に飛び起きましたが、このまま夢に留まってくれることを祈って、筆を置きます

最後まで目を通してくださりありがとうございました